「電気ケトルで淹れたコーヒーってまずい?」このように思っていませんか?
電気ケトルは手軽にお湯を沸かせて便利ですが、実は使い方を間違えたり、製品によってはコーヒーの風味を損なう原因になります。
この記事では、電気ケトルでコーヒーがまずくなる理由を解説し、プロのように美味しく淹れるコツとコーヒーに最適な温度調節機能を備えたおすすめモデルをまとめました。
結論を先に言うと、電気ケトルでコーヒーがまずくなる原因は、「お湯の温度」「注ぎ口の形状」「お湯の品質」の3つが考えられます。
また、電気ケトルのメリットやデメリット、やめた方がいいと言われる理由も掘り下げるので、気になる方はぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。
- 電気ケトルでコーヒーがまずくなる原因
- コーヒーを美味しく淹れるための温度管理
- コーヒーに最適な電気ケトルの選び方
- 電気ケトルの安全性や電気代に関する知識
電気ケトルで淹れたコーヒーがまずいと言われる理由とデメリット
- まずいと言われる3つの理由
- プロのコーヒーの味を電気ケトルで再現するコツ
- 味を追求するには温度調節機能つき電気ケトル
- おすすめしたい電気ケトル3選
まずいと言われる3つの理由
先にお伝えしたように、電気ケトルで淹れたコーヒーが「まずい」と感じられる理由は、「お湯の温度」「注ぎ口の形状」「お湯の品質」の3つになります。
詳しく見ていきましょう。
お湯の温度が高すぎる
一般的な電気ケトルは、水を100℃まで一気に沸騰させます。
しかし、コーヒーの抽出に最適な温度は90℃前後とされているため、沸騰したてのお湯では温度が高すぎます。
高温のお湯はコーヒー豆の成分を過剰に抽出し、特に苦味や渋み、雑味といったネガティブな要素を強く引き出してしまいます。
これによって、豆本来の繊細な香りや甘み、酸味がかき消されてしまうと考えられます。
高温抽出のデメリット
100℃近いお湯で淹れると、コーヒーの繊細な風味が飛び、ただ苦いだけの味になりがちです。
特にスペシャルティコーヒーのような高品質な豆の個性を楽しみたい場合、温度管理は非常に重要です。
注ぎ口の形状がドリップに向いていない
多くの電気ケトルは、注ぎ口が広く、一度に多くのお湯が出るように設計されています。
これは素早くカップ麺を作ったり、お茶を入れるときは便利ですが、繊細なコントロールが求められるコーヒードリップには不向きです。
太い注ぎ口から勢いよくお湯を注ぐと、コーヒー粉に均一にお湯が行き渡らず、抽出ムラができてしまいます。
結果として、一部の粉は抽出されすぎ(過抽出)、一部は十分に抽出されない(未抽出)という状態になり、味のバランスが崩れてしまうと言われています。
お湯の品質(カルキ臭・プラスチック臭)
他にも、ケトルで沸かしたお湯そのものに、コーヒーの味を損なう原因が潜んでいることもあります。
カルキ臭
水道水に含まれる塩素(カルキ)は、沸騰させることで除去できます。
しかし、多くの電気ケトルは沸騰を検知するとすぐに電源が切れるため、カルキが完全に抜けきらないことがあります。
このカルキ臭が、コーヒーの風味を邪魔してしまう可能性があります。
プラスチック臭
特に新品のプラスチック製ケトルに多いのが、樹脂の臭いがお湯に移ってしまう問題です。
化学的な臭いは、コーヒーの繊細なアロマを大きく損ないます。
ケトル内部の汚れ
定期的な手入れを怠ると、ケトル内部に水垢が溜まったり、雑菌が繁殖したりします。これらもまた、お湯の味を劣化させる原因になります。
プロのコーヒーの味を電気ケトルで再現するコツ
では、コーヒーを美味しく淹れるには、電気ケトルはやめたほうが良いのでしょうか?
いろいろな意見はあると思いますが、「淹れ方」と「電気ケトル選び」を見直せば、電気ケトルでも美味しいコーヒーを淹れることは可能です。
ここでは、プロが淹れたような味に近づけるための「淹れ方のコツ」を見ていきましょう。
コツ1:お湯の温度を適正にコントロールする
コーヒーを美味しく淹れるための大きなのポイントは、温度管理です。
電気ケトルで沸騰させた100℃のお湯を少し冷ましてから使うだけで、コーヒーの味は劇的に変わります。
簡単な温度の下げ方は、以下の通りです。
ケトルのフタを開けて待つ
沸騰後、フタを開けて1〜2分待つと、お湯の温度は90℃前後に下がります。
別の容器に移し替える
沸騰したお湯を、コーヒーサーバーや別のドリップポットに移し替えるだけでも、温度は約5℃〜10℃下がります。
これは、注ぎやすさも向上するため一石二鳥の方法です。
焙煎度で温度を変えるのがプロ流
コーヒー豆の焙煎度によって最適な抽出温度は異なります。
深煎り豆(苦味系)は、85℃〜90℃のやや低めの温度で淹れると、苦味が抑えられ、まろやかな味わいになります。
浅煎り豆(酸味系)は、90℃〜95℃のやや高めの温度で淹れると、華やかな酸味と香りが引き立ちます。
お使いの豆に合わせて温度を調整することで、味のクオリティが向上します。
コツ2:お湯を「の」の字に細く優しく注ぐ
プロのバリスタは、お湯を細く、一定の量で、円を描くように注ぎます。これはコーヒー粉全体を均一に蒸らし、成分をバランス良く抽出するためです。
一般的な電気ケトルでも、可能な限りケトルを傾けすぎず、ゆっくりと、細くお湯を注ぐことを意識しましょう。
中心から外側に向かって「の」の字を描くように注ぐのが基本です。勢いよくお湯を注ぐと粉がえぐれてしまい、雑味の原因になるので注意してください。
コツ3:「蒸らし」の工程を必ず行う
美味しいコーヒーを淹れる上で欠かせないのが「蒸らし」です。
最初に少量のお湯(20〜30ml程度)をコーヒー粉全体にいきわたるように注ぎ、30秒ほど待ちます。
この工程により、コーヒー粉に含まれる炭酸ガスが放出され、お湯が内部に浸透しやすくなります。
蒸らしをしっかり行うことで、コーヒーの成分が効率よく引き出され、味に深みとコクが生まれます。
味を追求するには温度調節機能つき電気ケトル
コーヒーの味を追求するなら、注ぎ口が細く、温度調節機能付きの電気ケトルが最も確実で便利な選択肢です。
これらの機能があれば、前述したような面倒な調整や温度管理の手間から解放され、美味しいコーヒーを淹れることが可能になります。
引用画像:楽天市場より
1℃単位で設定できる「マニュアル設定」タイプ
最も高機能なのは、1℃単位で温度を設定できるモデルです。
50℃〜100℃の間で自由に温度を選べるため、
- 浅煎り豆と深煎り豆で微調整
- 玉露や煎茶などコーヒー以外のお茶
- 赤ちゃんのミルク作り(70℃以上)
など、あらゆる用途に対応できます。
コーヒーの味に徹底的にこだわりたい、様々な飲み物を最適な温度で楽しみたいという方に最適です。
数段階で設定できる「プリセット」タイプ
「60℃/80℃/90℃/100℃」のように、あらかじめいくつかの温度が設定されているタイプもあります。
1℃単位の細かさはありませんが、コーヒーに最適な90℃前後が設定されていれば、十分実用的です。
マニュアル設定タイプに比べて操作がシンプルで、価格も手頃なモデルが多いのが特徴です。
選び方のポイント
コーヒー用途で選ぶなら、少なくとも85℃、90℃、95℃の3段階が設定できるモデルを選ぶと、ほとんどのコーヒー豆に対応できるはずです。
温度調節機能は、「誰でも」「簡単に」「安定して」美味しいコーヒーを淹れるための最短ルートです。
毎回温度計で測ったり、時間を計って冷ましたりする手間がなくなり、コーヒーを淹れること自体のハードルがぐっと下がります。
おすすめしたい電気ケトル3選
ではここからは、コーヒーを美味しく淹れるための機能を備えた、おすすめの電気ケトルを3つ紹介します。
デザイン性や機能性、あなたのライフスタイルに合わせて選んでみてください。
エペイオス EPEIOS 電気ケトル
エペイオスの電気ケトルは、1℃単位で温度調節が可能な本格派モデルです。
ハンドドリップの理想を追求した細口ノズルと0.9L大容量、38〜100℃の広範囲な温度設定が特徴。
引用画像:楽天市場より
液晶ディスプレイで現在温度がリアルタイム表示され、好みや抽出レシピに応じて最適な温度を確実に再現できます。
引用画像:楽天市場より
5分間のドリップタイマー機能や60分保温機能も装備し、高級感のあるステンレスSUS304製ボディと滑りにくいグリップ、安全性を考えた設計も魅力です。
毎日の一杯をワンランクアップしたい方にぴったりです。
コーヒーの温度と抽出にとことんこだわりたい方や、プロのようなハンドドリップを楽しみたい方におすすめの最新ケトルです。
ハリオ コーヒーケトル エレクトリックケトル ライラ
コーヒー器具のトップブランド「ハリオ」のエレクトリックケトル・ライラは、繊細なハンドドリップに最適な細口グースネックノズルが特徴です。
引用画像:楽天市場より
温度調整モデルは1℃刻みで60〜96℃のコントロールが可能で、浅煎り・深煎り・紅茶など多彩な抽出に幅広く対応。
注ぎやすくおしゃれな外観なので、デザインにもこだわる方や初めてドリップに挑戦したい方にもおすすめ。
引用画像:楽天市場より
国内メーカーらしい安心の品質管理と信頼性も高ポイントです。
初心者から上級者まで扱いやすく、ドリップの楽しさと温度調整の手軽さが両立。見た目もキッチンを華やかにします。
バルミューダ ザ・ポット(The Pot)
バルミューダの「The Pot」は、所有する喜びを感じさせてくれる洗練されたデザイン性が魅力の電気ケトルです。
引用画像:BALUMUDA公式サイトより
キッチンに置いておくだけで空間が洗練されるような美しいデザインは、多くのユーザーを魅了しています。
もちろん、機能性も優れており、湯切れが良く、狙った場所にお湯を注ぎやすいノズル形状は、ハンドドリップの時間を特別なものにしてくれます。
引用画像:BALUMUDA公式サイトより
温度調節機能が無い点や容量が600mlと少し小さめなのはマイナスですが、毎日のコーヒータイムをより豊かに、おしゃれに楽しみたいという方におすすめです。
機能性はもちろん、デザインやキッチンのインテリアとの調和を重視する方に。プレゼントとしても喜ばれる一品です。
電気ケトルで淹れるコーヒーがまずい問題以外の疑問や情報まとめ
- 電気ケトルのメリット
- 電気ケトルの欠点やデメリット
- 電気ケトルはやめた方がいいと言われる理由
- コストは?電気代は高いのか
- 安全性や健康への影響
- おすすめしたいドリップケトル3選
電気ケトルのメリット
ではここからは、電気ケトルの利点やメリットやデメリットを見ていきましょう。まずは、メリットについてです。
引用画像:楽天市場より
必要な分だけすぐにお湯が沸く
電気ケトルの最大のメリットは、なんといってもスピードです。
機種にもよりますが、カップ1杯分(約140ml)のお湯であれば、わずか1分〜2分程度で沸騰します。
忙しい朝の時間や、すぐにコーヒーを一杯飲みたいと思った時に、ガスコンロでお湯を沸かす手間や時間を大幅に短縮できるのは大きな魅力です。
省エネで経済的
消費電力が高い電気ケトルですが、必要な分だけ沸かすことに特化しているため、使い方によっては、結果的に省エネに繋がる場合があります。
常に保温しておく電気ポットと比較すると、使いたい時だけ電力を消費するため、トータルの電気代は安く済む傾向にあります。
これは、特に日中家にいる時間が短い方やお湯を使う頻度がそれほど高くない家庭にとって経済的なメリットとなります。
安全機能が充実している
現在の電気ケトルの多くは、安全性を高めるための機能が標準装備されています。
自動電源オフ機能
お湯が沸騰すると自動的にスイッチが切れるため、空焚きの心配がありません。火を使わないので、目を離していても安心です。
転倒お湯漏れ防止機能
万が一本体を倒してしまっても、お湯がこぼれにくい構造になっているモデルも多く、小さなお子様やペットがいる家庭でも安心して使えます。
火を使わない安全性は、ガスコンロの消し忘れが心配な方や、ご高齢の方にとっても大きなメリットと言えるでしょう。
デザイン性が高くコンパクト
電気ケトルは、機能性だけでなくデザイン性に優れた製品が多いのも特徴です。
ステンレス製のスタイリッシュなものから、レトロで可愛らしいデザイン、キッチンのインテリアに馴染むカラーバリエーションなど、選ぶ楽しさがあります。
また、コードレスで本体が軽く、コンパクトな製品が多いため、キッチン内で場所を取らず、持ち運びも簡単です。
電気ケトルの欠点やデメリット
一方で、電気ケトルにも欠点やデメリットは存在します。購入や使用を続ける上で、これらの点を理解しておくことが重要です。
引用画像:楽天市場より
保温機能がないモデルが多い
電気ケトルの基本的な機能は「お湯を沸かす」ことです。そのため、多くのモデルには保温機能が搭載されていません。
一度沸かしたお湯も時間とともに冷めてしまうため、2杯目のコーヒーを淹れたい時や家族が別々の時間にお湯を使いたい場合には、その都度沸かし直す必要があります。
これは手間であると同時に、電気代の観点からも非効率的と言えます。
一度に沸かせるお湯の量に限りがある
電気ケトルはコンパクトな製品が多く、一度に沸かせる容量は0.8L〜1.2L程度が主流です。
一人暮らしや二人暮らしで使う分には十分ですが、大人数の来客時や料理で大量のお湯が必要な場面では容量不足を感じることがあります。
消費電力が大きくブレーカーが落ちる可能性
電気ケトルは、短時間でお湯を沸かすために、1200W〜1300W程度の高い消費電力を必要とします。これは家庭用の電化製品の中でもトップクラスです。
そのため、電子レンジやドライヤーなど他の高消費電力な製品と同時に使用すると家庭の契約アンペア数によってはブレーカーが落ちてしまう可能性があります。
特に、古い住宅や契約アンペア数が低い家庭では注意が必要です。
電気ケトルはやめた方がいいと言われる理由
ネット上では、「電気ケトルはやめた方がいい」という意見を目にすることがあるかもしれません。
これは、健康への懸念、味へのこだわり、そしてライフスタイルの変化が関連しているケースが多いです。
健康志向の高まりと素材への懸念
最も大きな理由の一つが、プラスチック製ケトルから溶け出すとされるマイクロプラスチックや化学物質への懸念です。
研究によると、プラスチック製のケトルでお湯を沸かすと、微小なプラスチック粒子がお湯に放出される可能性が示唆されています。
また、特定のプラスチック製品に含まれるBPA(ビスフェノールA)という化学物質が、健康に影響を及ぼす可能性も指摘されています。
こうした情報に触れ、より安全性を求めてステンレス製やガラス製のケトル、あるいは昔ながらのやかん(鉄瓶など)に切り替える人が増えています。
これは、日々の生活で口にするものに対して、より安全・安心を求めたいという健康志向の高まりを反映しています。
注意点
ただし、全てのプラスチック製品が有害というわけではありません。近年ではBPAを含まない「BPAフリー」を謳った製品も多く販売されています。
コーヒーの味への追求
コーヒーの味にこだわる人にとって、一般的な電気ケトルの機能は不十分と感じられることがあります。
前述の通り、沸騰直後の高温のお湯やドリップに適さない注ぎ口は、コーヒーの味を損なう大きな要因です。
そのため、より美味しいコーヒーを追求する人は、1℃単位で温度設定ができる、コーヒー専用の電気ケトルやお湯の量を細く、静かに注げる細口(グースネック)のドリップポットを選ぶ場合が多いです。
「やめた方がいい」というよりは、「より良い味を求めて卒業した」というニュアンスが近いかもしれません。
ライフスタイルの変化
電気ケトルの「少量しか沸かせない」「保温ができない」といったデメリットが、ライフスタイルの変化によって顕在化することもあります。
- 家族が増えた
- 白湯を飲む習慣ができた
- 家にいる時間が大幅に増えた
このような場合、必要な時に必要なだけ沸かす電気ケトルよりも、大容量で長時間保温が可能な電気ポットの方が生活スタイルに合っている場合もあります。
その結果、電気ケトルを買い替える人も多いようです。
コストは?電気代は高いのか
「電気ケトルは消費電力が高いから、電気代も高いのでは?」と心配する声も聞かれます。しかし、実際には使い方次第では経済的な製品と言えます。
電気ケトル1回あたりの電気代
電気ケトルの電気代は、沸かすお湯の量と電気料金の契約によって変動しますが、おおよその目安は以下の通りです。
沸かす量 | 1回あたりの電気代の目安 |
---|---|
カップ1杯(約140ml) | 約0.5円 〜 0.7円 |
満水(約1.0L) | 約2.5円 〜 3.0円 |
※電気料金単価31円/kWhで計算した場合の目安。お使いのケトルの消費電力やご契約の電力会社によって変動します。
毎日3回、カップ1杯分のお湯を沸かしたとしても、1ヶ月の電気代は約45円〜63円程度と、非常に低コストです。
電気ポット・ガスコンロとの比較
他の湯沸かし器具と比較してみましょう。
器具 | メリット | デメリット | 向いている人 |
---|---|---|---|
電気ケトル | ・沸かすのが速い ・必要な分だけ沸かすので経済的[17] |
・保温機能がない ・一度に沸かせる量が少ない |
お湯を使う都度、必要な量だけ沸かしたい人 |
電気ポット | ・長時間の保温が可能 ・大容量 |
・沸かすのに時間がかかる ・保温に電気代がかかる |
一日中、いつでもお湯を使いたい人(家族が多いなど) |
ガスコンロ(やかん) | ・光熱費が比較的安い ・大容量を一度に沸かせる |
・沸くまで時間がかかる ・火を使うので安全面で注意が必要 |
オール電化でない家庭で、一度にたくさんのお湯を沸かしたい人 |
結論:どちらが経済的か?
1日に何度も、少量ずつお湯を使うのであれば、その都度沸かす電気ケトルの方が電気ポットよりも経済的です。
逆に、一度沸かしたお湯を長時間にわたって使い続けるのであれば、電気ポットに軍配が上がります。
ご自身のライフスタイルに合わせて選ぶことが、最も賢い選択と言えます。
安全性や健康への影響
毎日口にするお湯を沸かす器具だからこそ、安全性は気になるところです。特に、プラスチック素材の健康への影響を心配する人は多いようです。
プラスチック製ケトルのリスク
安価で軽量なプラスチック製電気ケトルですが、先にお伝えしたように、一部でマイクロプラスティックやBPA(ビスフェノールA)の影響を懸念する声があります。
これらの粒子が体内に蓄積された場合の長期的な影響は、まだ完全には解明されていませんが、近年は「BPAフリー」のプラスチックを使用する企業も増えています。
BPAフリーとは、食器や食品容器などの原材料に使われる化学物質・BPAを含まないことを指します。近年、BPAが持つ健康リスクが指摘され、特に赤ちゃんや子どもが使う製品ではBPAの規制が厳しくなりました。
プラスチック製品が心配な場合は、「BPAフリー」という表記があるかどうかを確認すると良いかもしれません。
より安全性を求めるなら「ステンレス」か「ガラス」
化学物質の溶出リスクを根本的に避けたい場合は、ステンレス製またはガラス製の電気ケトルがおすすめです。
素材 | メリット | デメリット |
---|---|---|
ステンレス | ・耐久性が高く、錆びにくい ・化学物質の溶出リスクが低い ・保温性が高い |
・本体が熱くなりやすい ・プラスチック製より重い |
ガラス | ・匂いや色が移りにくい ・中身が見えて清潔 ・化学物質のリスクが極めて低い |
・衝撃に弱く、割れる危険性がある ・重い |
総合的なバランスを考えると、耐久性があり、デザインの選択肢も豊富なステンレス製が現在の主流となっています。
特にコーヒー用のドリップケトルは、ほとんどがステンレス製です。
ご自身のライフスタイルや、何を最も重視するか(軽さ、安全性、デザインなど)を考えて、最適な素材を選びましょう。
おすすめしたいドリップケトル3選
電気ケトルのデメリットが気になる方やガスコンロやIHでお湯を沸かすことを面倒に感じない方には、ドリップ専用ケトル(ドリップポット)がおすすめです。
ここでは、おすすめできるトリップケトルを3製品お伝えします。
HARIO ドリップケトル・ヴォーノ
ヴォーノは、世界中のバリスタに支持されるHARIOの定番ドリップケトルです。
引用画像:楽天市場より
特徴的な細口ノズルで少しずつ湯量やスピードを精密にコントロールできるため、ドリップの安定性・美味しさが大幅に向上します。
思い通りの濃度や味作りに挑戦したい方におすすめの逸品です。
引用画像:楽天市場より
ステンレス製のため錆びにくく、お手入れも簡単。IHやガス、ハロゲンヒーターなど多様な熱源に対応しており、衛生的なフラット蓋仕様。
容量バリエーションも豊富で、家庭にもプロ用途にも最適です。
繊細なドリップや、安定したお湯のコントロールを目指す方に。デザイン性も人気。
珈琲考具 ツードリップ ポット Pro
金物の町・新潟県燕三条発、珈琲考具のツードリップポット Proは、細口・極細設計の注ぎ口と絶妙にバランスされた重量・グリップが評価される本格派モデル。
引用画像:楽天市場より
細く、ゆっくり抽出するハンドドリップにも最適で、狙った湯量が思い通りに再現できます。
ステンレス製で耐久性も高く、熟練者の抽出技術に応える逸品。
引用画像:楽天市場より
持ち手のフィット感や注ぎ口の形状が独特で、聞き惚れるほど美しい細いお湯が落とせるのが魅力です。
一流バリスタや愛好家から熱い支持を受ける、味の追求と技術向上にこだわりたい方に。
珈琲考具 ドリップポット ITTEKI
同じく燕三条の珈琲考具シリーズから登場したITTEKIは、その名の通り「一滴」レベルで湯量を制御できるドリップポットです。
引用画像:楽天市場より
すっきりとシャープなフォルムと、極細な先端構造によって、初心者でも失敗しにくく、マイクロドリップが叶います。
「もっとスローに」「雑味を抑えて精密に」抽出したい方に新定番となるモデル。
引用画像:楽天市場より
小容量で軽量設計なので、キャンプやアウトドアでも扱いやすく、日常使いにもおすすめです。
最も繊細なハンドドリップに挑戦したい人、雫のように抽出・甘いコーヒーの味作りにこだわる方へ。
まとめ:電気ケトルでコーヒーを淹れるとまずい?原因や対策とおすすめを解説
いかがでしたか?電気ケトルで淹れるコーヒーがまずいと感じる原因は、お湯の温度やケトルの形状、メンテナンス不足など、意外と身近なところに潜んでいます。
それぞれの原因に合わせた対策を講じることで、その悩みは解消できます。
本記事で紹介したように、少しの工夫や自分に合ったケトル選びで、電気ケトルでも美味しいコーヒーを淹れることはできます。
毎日のコーヒータイムをより豊かで満足度の高いものへと変えるために、まずは、コーヒーに適した電気ケトルを選んでみてはいかがでしょうか。
- 電気ケトルでコーヒーがまずくなる主な原因は「お湯の温度」「注ぎ口の形状」「お湯の品質」の3つ
- コーヒー抽出の最適温度は90℃前後で、100℃の熱湯は苦味や雑味を引き出す原因になる
- 一般的な電気ケトルの広い注ぎ口は、抽出ムラを生じさせ、味のバランスを崩しやすい
- ケトル内部のカルキやプラスチック臭も、コーヒーの繊細な風味を損なう一因となる
- 対策として、沸騰したお湯を少し冷ます、または温度調節機能付きケトルを使うことが有効
- プロのように淹れるコツは「適正温度の管理」「細く優しく注ぐ」「蒸らしをしっかり行う」こと
- 電気ケトルのデメリットには、保温機能がない、容量が小さい、プラスチックの健康懸念などがある
- メリットは、沸かすスピードが速い、必要な分だけ沸かすので省エネ、安全機能が充実している点
- 「やめた方がいい」と言われる背景には、健康志向の高まりや、より味を追求する層の器具変更がある
- コーヒー用途なら、1℃単位または多段階で温度設定ができるモデルがおすすめ
- ミルクの調乳には、殺菌のため70℃以上に設定できる機能が非常に便利
- ティファール製品も、温度調節機能付きの「コントロール」シリーズならコーヒー用途に十分対応可能
- 電気ケトルの電気代は非常に安く、カップ1杯あたり約0.5円〜0.7円程度
- 安全性を最優先するなら、化学物質の溶出リスクが低いステンレス製やガラス製のケトルが推奨される
- 最終的に、自分のライフスタイルやコーヒーへのこだわり度に合わせて最適なケトルを選ぶことが重要
※ご紹介しているモデルの仕様や価格は変更される可能性があります。詳細は各メーカーの公式サイトをご確認ください。