500円玉貯金は本当に意味ない？メリット・デメリットと100万円を貯めるコツ

このように悩んでいませんか？

キャッシュレス決済が当たり前になり、スマートフォンひとつで支払いが完結する今、わざわざ小銭を貯めて良いのか？と疑問を感じるのは当然のことです。

そこでこの記事では、500円玉貯金のメリットとデメリットを整理し、意味のない結果にならないための方法をまとめました。

実は500円玉貯金は、貯金箱がずっしりと重くなっていく過程に「確かな手応え」があり、意外と楽しい貯金術です。

コツコツと続ければ、気づいたときには「30万円」「100万円」とお金が貯まっているかもしれません。

ただし、貯まったお金を銀行や郵便局に持っていく際の「両替の手間」、大量の硬貨を扱う「ATMの手数料」など、無視できないことがあるのも確かです。

目標額まで「何年かかるかのシミュレーション」、継続しやすいおすすめの「貯金箱」、そして何より大切な、損をしないための賢い貯金方法を詳しく解説します。

500円玉貯金は意味ないと言われる理由とメリット

「時代遅れ」「効率が悪い」と言われがちな500円玉貯金。しかし、実際には向き不向きがあり、特性を正しく理解すれば資産形成の助けになる場合もあります。

ここでは、「意味がない」と言われてしまう理由を経済的な視点も含めて冷静に分析し、それでも多くの人が実践しているアナログな魅力について解説します。

デメリットは？500円玉貯金は意味ないと言われる理由

まずは、500円玉貯金が「意味ない」と敬遠されてしまう主な理由を、現代の金融事情と照らし合わせながら詳しく見ていきましょう。

これらは、現代の生活スタイルにおいては無視できないデメリットになります。

入金時の手数料負担が大きすぎる

近年、「500円玉貯金はオワコン」と言われるようになった最大の要因は、硬貨取扱手数料の新設・値上げです。

かつては、大量の小銭を銀行の窓口に持ち込んでも無料で入金できましたが、現在は状況が一変しました。

例えば、ゆうちょ銀行では2022年1月から、窓口やATMでの硬貨預け入れに対して手数料がかかるようになりました。

以下は、窓口での手数料一覧です。

硬貨枚数	2024年3月31日（日）まで	2024年4月1日（月）から
1～50枚	無料	無料
51～100枚	550円	無料
101～500枚	825円	550円
501～1,000枚	1,100円	1,100円
1,001枚以上	500枚毎に550円加算	500枚毎に550円加算

このように、窓口では101枚以上の硬貨を入金する場合、手数料が発生します。

もし100万円分の500円玉（2,000枚）をまとめて窓口で入金しようとすると、手数料だけで数千円取られてしまうケースもあります。

これでは、せっかく節約して貯めたお金が目減りしてしまい、「何のために頑張ったのか」と虚無感に襲われてしまいます。（出典：ゆうちょ銀行『硬貨取扱料金改定のお知らせ』）

利息がつかずインフレに弱い

金融リテラシーが高い人ほど、500円玉貯金を「機会損失」と捉えます。

現在の銀行預金の金利は低いとはいえ、ネット銀行の定期預金などを活用すれば、わずかながらお金は増えます。

さらに、NISAなどを活用してインデックスファンドに投資すれば、年利数パーセントのリターンが期待できる時代です。

しかし、自宅の貯金箱に入っている500円玉は、10年経っても500円のままです。昨今の物価上昇（インフレ）を考慮すると、現金の価値は実質的に目減りしているとも言えます。

「お金を働かせる」という観点からは、確かに効率の悪い方法と言わざるを得ません。

キャッシュレス化による貯めにくさ

現在は、PayPayや楽天ペイ、クレジットカード決済が当たり前になり、現金を使う機会が激減しました。

そのため、「お釣りで500円玉をもらったら貯金する」というルール自体が、成立しなくなっている人もいます。

「そもそも500円玉がお財布に入ってこないのに、どうやって貯めればいいの？」という根本的な壁にぶつかり、スタートする前に諦めてしまう人やペースが遅すぎて自然にやめて消しまう人が多くなっています。

ここがネック！500円玉貯金のデメリットまとめ

実は効果が強い？500円玉貯金で得られるメリット

ここまでデメリットを並べましたが、500円玉貯金にもメリットはあります。

デジタルな数字の羅列では決して味わえない、アナログならではの心理的メリットと、確実な貯蓄効果です。

「効率」だけでは語れない、500円玉貯金の効果は以下のとおりです。

強制貯蓄としての圧倒的な効果

貯金が苦手な人の共通点は、「あればあるだけ使ってしまう」ことです。500円玉貯金は、この浪費癖に対する特効薬になります。

500円玉は硬貨の中で最も高額です。これを「使うお金」から「貯めるお金」のカテゴリーに強制的に移動させることで、手元の使えるお金を物理的に減らします。

一度貯金箱（特に開かないタイプ）に入れてしまえば、取り出すのは面倒です。

この「面倒くささ」が、無駄遣いへの強力なブレーキとなります。意思の力に頼らず、仕組みで貯めることができるのが最大の強みです。

脳に快感を与える可視化の力

クレジットカードのポイントが貯まっても、画面上の数字が増えるだけで実感は薄いかもしれません。しかし、500円玉貯金は違います。

チャリンと音を立てて貯金箱に入れる瞬間、そしてずっしりと重くなっていく貯金箱を持ち上げたとき、私たちの脳は「成果」を物理的に感じ取り、達成感（ドーパミン）を得ます。

この「重さ」こそが、「これだけ頑張ったんだ」という自己肯定感に繋がり、次の貯金へのモチベーションを生み出します。

目に見えて増えていく様子は、単純にゲームとして楽しいです。

家計管理への意識変革

500円玉貯金を始めると、買い物の仕方が変わります。

「どうすれば500円玉がお釣りで返ってくるか？」を計算して支払うようになるため、漫然とお金を出すことがなくなります。

「今日は500円玉を作れた！」という小さな成功体験を毎日積み重ねることで、お金に対する意識が自然と高まります。

結果として、コンビニでの無駄な買い物（ラテマネー）が減ったり、本当に必要なものだけを選ぶようになったりと、副次的な節約効果も期待できます。

楽しい習慣にする500円玉貯金のコツ

500円玉貯金を「苦行」にしないためには、楽しむための工夫が必要です。

意気込んで始めても、無理なルールを設定すると続きません。ここでは、100万円を貯めるための継続のコツをご紹介します。

ゆるいルールでハードルを下げる

真面目な人ほど「毎日必ず1枚入れる」や「財布にある500円玉は全部入れる」といった厳しいルールを課しがちですが、これは挫折の元です。

特にキャッシュレス時代に毎日500円玉を作るのは至難の業です。

おすすめは、自分に甘いルールを設定することです。

• 財布に500円玉がある時だけ入れる
• 週に1回、財布を整理するついでに入れる
• お釣りで500円玉が来たらラッキー

これくらい気楽なスタンスの方が、結果的に長く続きます。「やらなきゃ」ではなく「できたらラッキー」と捉えることが大切です。

明確な出口（使い道）を用意する

ただ漠然とお金を貯めるのは苦痛ですが、楽しい未来のためなら頑張れます。

「貯まったら何に使うか」を具体的かつ魅力的に設定しておくことが、最強のモチベーション維持法です。

「なんとなく老後のために」といった曖昧な目標ではなく、

• 「貯まったら家族でハワイ旅行に行く！」
• 「ずっと欲しかったドラム式洗濯機を買う！」
• 「高級焼肉店で値段を見ずに注文する！」

など、ワクワクするようなご褒美を設定しましょう。貯金箱に「ハワイ旅行用！」と書いた紙を貼ったり、目的地の写真を近くに飾ったりするのも非常に効果的です。

「つもり貯金」と組み合わせる

キャッシュレス派の人におすすめなのが、「つもり貯金」との併用です。

例えば、「カフェラテを我慢してマイボトルを持参したから、浮いた500円を貯金箱へ」「飲み会を断ったから、会費のつもりで3,000円（500円玉6枚分）を貯金」といった具合です。

これは、節約と貯金を同時に行える一石二鳥の方法です。

現金の500円玉が手元にない場合は、証券口座や貯蓄用口座に500円単位で移動させる「デジタル500円玉貯金」として応用するのも現代的で賢い方法です。

100万円を目指す？最高額を達成する目標設定の仕方

500円玉貯金の醍醐味といえば、やはり「100万円貯まる貯金箱」などに代表される高額貯金への挑戦です。

ここでは、目標金額ごとの特徴と、達成したときに見える景色について解説します。

目標額：10万円（500円玉 200枚）

初心者におすすめの最初のマイルストーンです。200枚なら、1日1枚ペースでも半年強で達成できます。貯金箱もコンパクトなもので済みます。

達成すれば、近場の温泉旅行や、ちょっと良い家電、パートナーへの豪華なプレゼントなどに使えます。「自分でも貯められた！」という自信をつけるのに最適な目標です。

目標額：30万円（500円玉 600枚）

実用性と達成感のバランスが良い目標です。重量は約4.2kgになり、片手で持つとずっしりと重みを感じます。

30万円あれば、最新の大型冷蔵庫やドラム式洗濯機などの大型白物家電、ハイエンドなパソコン、あるいは海外旅行（近場のアジアなど）も視野に入ります。生活の質を一段階上げるための資金として最適です。

目標額：100万円（500円玉 2,000枚）

「王道」にして「最高峰」の目標です。500円玉1枚の重さは約7グラムなので、2,000枚で約14キログラムにもなります。

これは1歳児〜2歳児くらいの子供の体重と同じくらいです。重量感と「100万円」というキリの良い数字は、他の何にも代えがたい達成感をもたらします。

100万円あれば、中古車、長期の海外旅行、結婚資金の一部、投資の種銭など、人生の選択肢を広げる大きな力になります。

ただし、達成には数年単位の時間がかかるため、強い意志と工夫が必要です。

継続しやすいおすすめの500円玉貯金箱

「形から入る」のも、継続のための重要な戦略です。貯金箱選びを間違えると、途中で開けてしまったり、モチベーションが下がったりする原因になります。

自分の性格やライフスタイルに合った最適な貯金箱を選びましょう。

成果を目で楽しむ「透明・スケルトンタイプ」

モチベーション維持を最優先したい人におすすめです。

中身が見えるため、「これだけ貯まった！」という成果が視覚的に確認できます。「あと少しで半分」「もうすぐ満杯」という進捗状況が常にわかるので、ゲーム感覚で楽しめます。

鉄の意志を守る「缶切りでしか開かないタイプ」

意思が弱く、つい途中で開けて使ってしまう人におすすめです。いわゆる「ブリキ缶」タイプで、取り出し口がありません。

中身を取り出すには缶切りで破壊するしかないため、「壊すのがもったいない」「面倒くさい」という心理が働き、貯金を守ってくれます。

「10万円」「30万円」「100万円」など、目標金額がプリントされているものが多く、ゴールが明確なのも利点です。

生活に溶け込む「インテリア・デザインタイプ」

リビングや玄関に置いて、家族で貯金したい人におすすめです。

木製のおしゃれなボックス型や、陶器製のオブジェのようなデザインなど、一見して貯金箱に見えないものも人気です。

目につく場所に置いても違和感がないため、帰宅時にポケットの小銭を入れる習慣がつきやすくなります。家族みんなで「旅行に行こう」と目標を共有して貯めるのにも最適です。

機能性重視の「デジタル計算タイプ」

今いくら貯まっているか正確に知りたい理系タイプの人におすすめです。

投入口にセンサーがついており、硬貨を入れるたびに自動で計算し、合計金額を液晶画面に表示してくれます。

「あと何円で目標達成か」が数字でわかるので、モチベーション管理がしやすく、数える手間も省けます。

500円玉貯金は意味ない？賢い入金や両替の方法

苦労して貯めた500円玉も、最後の「換金」で失敗しては本当の意味で「意味ない」ものになってしまいます。

特に近年は手数料の問題がシビアですので、ここからの情報は損をしないために必ず押さえておいてください。賢い入金・両替テクニックをご紹介します。

30万円貯めるには何年かかるか計算

目標金額を達成するために、どのくらいの期間が必要なのか、具体的なシミュレーションをしてみましょう。

ここでは、現実的な目標として人気の「30万円」を例に計算します。

30万円を貯めるには、500円玉が600枚必要です。これをどのくらいのペースで貯めるかによって、達成までの期間は大きく変わります。

いかがでしょうか。毎日1枚のペースなら2年弱で達成可能ですが、これはかなり意志が強く、かつ現金をよく使う人でないと難しいペースです。

キャッシュレス生活が中心で、週に1枚程度しか500円玉が発生しない場合、達成までに10年以上かかってしまいます。

このシミュレーションを見ると、「自分にはどのくらいの期間が必要か」がリアルに想像できるはずです。

貯まったら銀行や郵便局へ預ける手順

貯金箱がいっぱいになったら、いよいよ開封の儀、そして入金です。

銀行や郵便局の窓口に持ち込むのが一般的ですが、事前準備なしに行くと、窓口で時間がかかったり、場合によっては受け入れを断られたりすることもあります。

スムーズに入金するための手順とマナーを確認しておきましょう。

自宅で開封し異物を取り除く

まず、自宅で貯金箱を開封します。重要なのは、硬貨以外の異物が混ざっていないか確認することです。

クリップ、ホッチキスの芯、紙くず、あるいは間違って入れた100円玉や10円玉、ゲームセンターのコインなどが混ざっていると、金融機関の機械が故障する原因になります。

ある程度仕分ける（推奨）

必須ではありませんが、500円玉以外の硬貨が混ざっている場合は、種類ごとに分けておくと窓口での処理が早くなります。

汚れがひどい硬貨や、変形している硬貨は機械に通らない可能性があるため、取り除いておきましょう。

金融機関へ持ち込む（要事前連絡の場合も）

持っていくものは、「通帳」「キャッシュカード」「印鑑（念のため）」です。

枚数が非常に多い場合（1,000枚以上など）は、店舗によっては機械の容量オーバーで対応できないことがあります。

事前に電話で「貯金箱の硬貨を入金したいのですが、大量にあっても大丈夫ですか？」と確認しておくと安心です。

また、混雑する給料日（25日など）や月末・月初は避け、空いている時間帯に行くのがマナーであり、自分自身も待たずに済みます。

500円玉貯金の両替手数料を抑えるには？

「500円玉貯金は意味ない」と言われる最大の原因は、手数料です。

先にお伝えしたように、例えば「ゆうちょ銀行」では、窓口での硬貨預け入れには枚数に応じた手数料が発生します。

窓口での硬貨入金は「硬貨整理手数料」の対象になりやすく、数百枚単位で持ち込むと1,000円以上の手数料を取られることも珍しくありません。

そのため、窓口での大量一括入金は避けたほうが無難です。

普段使いで少しずつ消費するのもあり

実は一番確実な方法は、入金せずに「使う」ことです。スーパーやコンビニでの少額決済で、少しずつ500円玉を使っていきます。

ただし、レジでの混雑時には避け、1回の会計で使う枚数は2〜3枚程度に留めるのがマナーです。セルフレジへの大量投入は故障の原因になるので絶対にやめましょう。

ATMで500円玉は何枚まで手数料無料か

最も現実的で賢い方法は、銀行ATMの手数料無料枠を活用して、こまめに入金することです。

多くの大手都市銀行（三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行など）のATMでは、平日昼間の時間帯（8:45〜18:00など）であれば、硬貨の入金手数料が無料の設定になっていることが多いです。

ただし、ATMには一度に投入できる枚数に制限があります。

• 一般的なATMの投入上限：1回につき100枚まで
• 手数料：平日日中は無料の銀行が多い（※ゆうちょ銀行ATMは硬貨入金に手数料がかかる場合があるため注意が必要です）

つまり、「お買い物ついでに、50枚〜80枚程度をATMで入金する」という作業を数回に分けて繰り返せば、手数料をかけずに全額を口座に移すことができます。

600枚（30万円分）なら、8回〜10回程度通えば完了します。少し手間はかかりますが、窓口手数料で数千円損することを考えれば、やる価値は十分にあります。

注意点

ATMでの硬貨入金は、紙幣よりも処理に時間がかかります。後ろに並んでいる人がいる場合は譲るか、別の空いている時間帯に出直すなど、周囲への配慮を忘れずに行いましょう。

また、汚れた硬貨は機械詰まりの原因になるので、事前によく拭いてから投入してください。（出典：三井住友銀行『手数料一覧（ATM手数料等）』）

結論：500円玉貯金は工夫次第で意味がないわけではない

いかがでしたか？結論として、500円玉貯金は決して「意味ない」ものではありません。

確かに、現代の金融システムの中では「効率の悪い」方法かもしれません。利息はつきませんし、入金の手間もかかります。

しかし、

• 「確実に手元にお金が残る」
• 「貯まる過程を楽しめる」
• 「無駄遣いが減る」

という心理的・物理的なメリットは、他のデジタルな貯蓄方法にはない、アナログならではの魅力です。手数料の問題も、ATMを賢く利用すれば解決できます。

キャッシュレス時代だからこそ、現金の重みを感じながら貯める500円玉貯金は、お金のありがたみを再確認する良い機会にもなるかもしれません。

「意味ない」と諦める前に、まずは気に入った貯金箱を一つ用意して、お財布の中の500円玉を入れてみませんか？

その小さな一歩が、数年後には「あの時始めてよかった」と思える、大きな資産や楽しい思い出に変わる可能性があります。

まとめ：500円玉貯金を成功させる3つのポイント

※ご紹介しているモデルの仕様や価格は変更される可能性があります。詳細は各メーカーの公式サイトをご確認ください。