圧力鍋はいる？いらない？メリットとデメリットと後悔しない選び方

便利な調理器具として人気な「圧力鍋」。しかし、本当にいるのかな？と迷う人は多いかもしれません。

この記事では、圧力鍋はいるかいらないか？という疑問を解決するために、メリットやデメリット、健康や栄養への影響、普通の鍋との味の違いなどをわかりやすくまとめています。

結論としては、圧力鍋の必要性はライフスタイルや調理スタイルによって異なります。しかし、使いこなすことができれば、心強いキッチンの相棒になる調理器具です。

他にも、肉料理の注意点や電気圧力鍋や無水鍋との比較、おすすめの選び方まで、知りたいポイントをわかりやすく解説します。

>> 初心者におすすめ圧力鍋３選はこちら

圧力鍋はいる？いらない？メリット・デメリットとおすすめを解説

いるかいらないか迷う理由

「圧力鍋は本当に必要？」「使いこなせる？」と迷う人は多いのではないでしょうか。まずは、圧力鍋の購入を迷う主な理由を見ていきましょう。

価格が高め

圧力鍋は、一般的な鍋よりも価格が高めです。手動タイプでも1万円前後、電気圧力鍋の場合は2万円を超えるモデルもあります。

そのため、「高価な調理器具を買っても、結局使わなくなってしまうのでは」と考え、購入を迷う人は多いです。

使い方や出番があるのか不安

圧力鍋は、密閉して高温・高圧で調理するため、「使い方を間違えると事故につながるのでは」と心配する方もいます。

特に昔の圧力鍋は、安全装置が不十分なものもあり、爆発事故のニュースを見て不安を感じる人もいるようです。

もちろん、最近の製品は安全性に問題はありませんが、初めて使う方にはハードルが高い場合もあります。

引用画像：楽天市場より抜粋

また、圧力鍋は煮込み料理や豆料理、玄米ご飯などに向いていますが、炒め物や焼き物、短時間で作る料理が中心の家庭では出番が少ない調理器具です。

そのため、「せっかく買っても使わなくなるのでは」と悩む場合もあります。

手間が増えるのでは？という不安

圧力鍋は、材料を入れてフタを閉め、加圧や減圧のタイミングを見計らったり、調理中にはフタを開けることができないため、レシピ通りに調理を進める必要があります。

そのため、料理に慣れていない方や普段からシンプルな料理が多い場合は、圧力鍋の手順が面倒に感じられるかもしれません。

キッチンのスペースや収納場所も悩みの種

圧力鍋はサイズが大きく、重さもあるため、収納場所を確保する必要があります。

キッチンが狭い家庭やすでに調理器具が多い場合は、圧力鍋を置くスペースはあるのか？と悩むケースもあります。

いる？いらない？の判断基準

圧力鍋が必要かどうかを判断するには、いくつかの「基準」を持つことが大切です。ここでは、圧力鍋が「いる」場合と「いらない」場合の判断ポイントを紹介します。

圧力鍋がいる人

圧力鍋が「いる」と考えられるのは、毎日の調理で時短を重視したい方です。

共働き家庭や子育て世帯、忙しい日々を送る方には、短時間で煮込み料理や豆料理が作れる圧力鍋は大きな味方です。

また、食材の栄養や旨味をしっかり残したい方にも向いています。玄米や雑穀米、硬い根菜、骨付き肉など、火の通りにくい食材をよく使う家庭にもおすすめです。

他にも、作り置きや大量調理をしたい場合にも圧力鍋は便利です。

カレーやシチュー、煮物などを一度にたくさん作りたい方、家族の人数が多い家庭では、圧力鍋の大容量と時短効果が役立ちます。

光熱費を抑えたい方にも、加熱時間が短い圧力鍋は省エネにつながります。

以下は、圧力鍋がいる人の判断基準一覧です。

圧力鍋がいらない人

一方で、圧力鍋が「いらない」と考えられるのは、シンプルな料理が中心の方や、煮込み料理をあまり作らない家庭です。

炒め物や焼き物、サラダなど、短時間でできる料理が多い場合は、圧力鍋の出番は少なくなります。

また、新しい調理器具の操作を覚えることを負担と感じる方やキッチンのスペースが限られている方も、無理に圧力鍋を導入する必要はないかもしれません。

他にも、調理中に味見や調整を頻繁にしたい方も圧力鍋は向いていません。加圧中はフタを開けられないため、味の微調整ができないからです。

以下は、圧力鍋がいらない人の判断基準一覧です。

何がそんなにいい？メリットを徹底解説

ここでは、圧力鍋の代表的なメリットについて詳しくご紹介します。

時短調理ができる

圧力鍋の最大の魅力は、時短調理です。圧力鍋は密閉して加熱することで、鍋の中の温度を100℃以上に高めます。

通常の鍋で2時間かかる煮込み料理も、圧力鍋なら30分程度で完成します。手羽元やスペアリブなどの骨付き肉も、短時間でホロホロと柔らかくなり、普段は作るのが大変な料理も手軽に楽しめます。

食材の旨味や栄養を逃がしにくい

もうひとつの大きなメリットは、食材の旨味や栄養を逃がさないことです。圧力鍋は少ない水で調理できるため、野菜のビタミンやミネラルが煮汁に流れ出しにくくなります。

密閉状態で加熱することで、食材本来の甘みや旨味が凝縮され、仕上がりがワンランクアップします。魚の骨まで柔らかくなり、小骨が気になる魚も丸ごと食べやすくなります。

光熱費を節約できる可能性

光熱費の節約も圧力鍋のメリットです。加熱時間が短くなるため、ガス代や電気代を抑えられます。火を使う手動タイプでも、弱火で加圧調理できるので経済的です。

電気圧力鍋であれば、材料をセットしてスイッチを押すだけで調理が進み、キッチンに立ち続ける必要がありません。夏場でもキッチンが暑くなりにくい点も好評です。

料理の幅を広げてくれる

圧力鍋は料理の幅を広げてくれる調理器具です。煮込み料理だけでなく、玄米ご飯や無水調理、蒸し料理、デザートまで多彩なメニューに対応します。

大量調理も得意なので、作り置きや家族の多い家庭にもぴったりです。

料理が苦手でも失敗が少ない

電気圧力鍋の場合、火加減や加圧時間を自動でコントロールしてくれるため、料理が苦手な方でも失敗しにくいのが特徴です。

材料を入れてボタンを押すだけで本格的な料理が完成します。ほったらかし調理ができるので、忙しい方や家事を効率化したい方にも人気があります。

デメリットは？肉料理で気をつけるポイント

一方、圧力鍋にもデメリットは存在します。特に肉料理では、使い方を間違えるとせっかくの食材が固くなったり、風味が損なわれたりすることがあります。

ここでは圧力鍋のデメリットと肉料理で失敗しないためのポイントを解説します。

火加減の調整が難しい

圧力鍋の大きなデメリットとして、火加減の調整が難しい点が挙げられます。

手動タイプの場合、加圧中は鍋から目を離せなかったり、圧力のかけすぎや火力の強さによっては、肉がパサついたり固くなることもあります。

電気圧力鍋の場合は自動制御ですが、加熱や減圧に意外と時間がかかるため、「思ったより時短にならない」と感じる人もいます。

下ごしらえのタイミング

肉料理で圧力鍋を使う際に注意したいのは、下ごしらえのタイミングです。肉を柔らかく仕上げたい場合、塩や砂糖などの調味料を加える前に圧力調理を行うのがポイントです。

味付けをしてから加圧すると、肉の水分が抜けてしまい、赤身部分が固くなってしまうことがあります。

一度下茹でしてから、味付けは圧力をかけずに普通の鍋でコトコト煮る「ダブル使い」をおすすめします。これにより、肉がしっとり柔らかく、味もしっかり染み込みます。

また、冷たいままの肉をそのまま加熱すると、表面と内部の温度差で火の通りが均一にならずに固くなりやすいです。

肉は調理の30分ほど前に冷蔵庫から出し、常温に戻しておくとよいでしょう。塩を振るタイミングも重要で、調理直前に振ることで肉の水分を保ちやすくなります。

調理中にフタを開けて味見や調整ができない

圧力鍋のもうひとつのデメリットは、調理中にフタを開けて味見や調整ができない点です。

加圧が始まると途中で確認できないため、レシピ通りの分量や加圧時間を守る必要があります。

失敗を防ぐためには、最初にしっかりレシピを確認し、工程ごとに下ごしらえを丁寧に行うことが大切です。

臭いが残りやすい・パーツ掃除が面倒

圧力鍋は調理後の臭いが残りやすい、パーツの掃除が面倒といった点もデメリットです。

特に肉や魚を調理した後は、臭いが鍋やパッキン部分に残ることがあるため、丁寧な洗浄が必要です。

圧力鍋と普通の鍋の味の違い

圧力鍋と普通の鍋では、同じ料理でも仕上がりの味や食感に違いがあるのでしょうか？

結論から言うと、どちらにも良さがありますが、圧力鍋ならではの特徴を知ることで、よりおいしい料理を作るヒントになります。

短時間で柔らかく仕上がる

圧力鍋は密閉して高温・高圧で調理するため、食材に素早く火が通ります。例えば豚の角煮や牛すね肉など、時間のかかる煮込み料理も短時間で柔らかく仕上がります。

普通の鍋で1時間半煮込むところを、圧力鍋なら30分ほどで完成することも珍しくありません。特に骨付き肉や豆類など、火の通りにくい食材には圧力鍋が向いています。

圧力鍋は野菜や肉の風味を濃く感じられる

味の違いについては、圧力鍋で調理すると水分の蒸発が少なく、旨味や香りが鍋の中に閉じ込められます。そのため、野菜や肉の風味が濃く感じられることが多いです。

人参やジャガイモは普通の鍋よりも甘みが増し、トロトロとした食感に仕上がります。スープの場合は、香草や調味料の香りがしっかり残るのも特徴です。

普通の鍋は深いコクが生まれる

一方で、普通の鍋でコトコト煮込んだ料理は、時間をかけて水分が蒸発し、味が凝縮されていきます。長時間煮込むことで食材同士の旨味が混ざり合い、深いコクが生まれます。

プロの料理人は、途中で味見や調整をしながら仕上げるため、繊細な味の変化を楽しめるのも普通の鍋ならではの魅力です。

また、圧力鍋で調理した場合、赤身肉は繊維感が残りやすい傾向があり、長時間煮込んだ普通の鍋のほうがホロホロとした食感になることもあります。

香りや風味の違い

スープや煮物の風味も違いが出ます。圧力鍋は高温で短時間調理するため、香草やスパイスの香りが強く残ることがあります。

普通の鍋は、香りがゆっくりと蒸発し、まろやかな風味に仕上がります。

「便利すぎ」と言われる本当の理由

圧力鍋は、使った人が「便利すぎる」と感じることが多い調理器具です。それはどうしてなのでしょうか。

多くの人が「便利」と感じる理由は、日々の調理を大幅に効率化できるからです。特に共働きや子育て世帯、家事の時短を重視する家庭にとって、その恩恵は非常に大きいです。

通常の鍋では何時間もかかる煮込み料理や豆料理も、圧力鍋なら短時間で完成します。

例えば、豚の角煮や黒豆、スペアリブなど、火の通りにくい食材もあっという間に柔らかくなります。

ほったらかし調理が便利

また、圧力鍋は「ほったらかし調理」ができる点も便利さの理由です。

材料と調味料を入れてフタを閉め、加圧を始めれば、途中でかき混ぜたり火加減を調整したりする必要がありません。

電気圧力鍋の場合は、ボタンひとつで自動調理ができ、レシピ通りにセットすれば他の家事や仕事をしている間に料理が完成します。

これにより、調理中にキッチンに張り付く必要がなくなり、家事全体の効率が上がります。

光熱費が節約できて便利

光熱費の節約効果も「便利」と思う理由のひとつです。圧力鍋は短時間で調理が終わるため、ガスや電気の使用量が減ります。

加熱後も余熱調理ができるので、エネルギーの無駄を抑えられます。省エネを意識する家庭にはうれしいポイントです。

調理の幅が広がる

調理の幅が広がるのも、圧力鍋を便利に思うポイントです。煮込み料理だけでなく、玄米や雑穀米の炊飯、無水調理、蒸し料理、さらにはデザートまで作れます。

食材の旨味や栄養を逃がしにくく、野菜や肉の風味をしっかり引き出せるため、料理のクオリティもアップします。

選び方とサイズ・容量の目安

圧力鍋を選ぶ場合は、用途や家族構成に合ったサイズや機能を選ぶことが大切です。

サイズ（容量）

まず注目したいのが「サイズ（容量）」です。圧力鍋の容量はリットル単位で表記されており、家庭用では2.5リットルから6リットル程度が一般的です。

サイズ選びの目安としては、「家族の人数＋1リットル」と言われています。例えば、3人家族なら4リットル、4人家族なら5リットル前後が使いやすいサイズです。

実際に調理できる量は満水容量の2/3程度までなので、作りたい料理や量に合わせて選ぶと失敗がありません。

少人数や一人暮らしの場合は2.5〜3リットルの小型サイズが便利です。

カレーやシチューなどをよく作る家庭や、作り置きを多めにしたい場合は3〜4リットルの中型サイズが使いやすいです。

大家族やパーティー料理、大量調理をしたい場合は4.5リットル以上の大型サイズが向いています。

ただし、大きすぎる鍋は収納場所を取るだけでなく、重くて扱いにくい場合もあるため注意が必要です。

手動と電気タイプ

圧力鍋には手動タイプと電気タイプがあります。

手動タイプは火加減や加圧時間の調整が必要ですが、直火やIHなどさまざまな熱源に対応しています。

電気圧力鍋はボタンひとつで自動調理ができ、タイマーや保温機能が付いているものも多く、忙しい方や料理初心者に人気です。

鍋の素材や形状も選ぶ際のポイントです。ステンレス製は耐久性が高く、アルミ製は軽くて扱いやすい特徴があります。

浅型は料理の取り出しが簡単で、深型は煮込みや炊飯に向いています。

おすすめできる圧力鍋３選

圧力鍋は種類や機能が多く、どれを選べばよいか迷う方も多いかもしれません。ここでは、使い勝手や安全性、コストパフォーマンスを重視したおすすめの圧力鍋を３つ紹介します。

ティファール｜クリプソミニットイージー

１つ目のおすすめは、ティファールのクリプソミニットイージーです。

引用画像：楽天市場より抜粋（以下同様）

手動タイプの圧力鍋で、軽量かつ扱いやすい設計が特徴です。ワンタッチで開閉できるフタや洗いやすいシンプルな構造が人気の理由です。

容量は3リットルから6リットルまであり、家族の人数や用途に合わせて選べます。ガス火はもちろん、IHにも対応しています。

安全装置も充実しており、圧力がかかった状態ではフタが開かない構造です。煮込み料理や玄米ご飯、豆料理など幅広いレシピに対応できる万能タイプです。

パナソニック｜電気圧力鍋（NF-PC400）

２つ目は、パナソニックの電気圧力鍋（NF-PC400）です。電気タイプの圧力鍋で、材料を入れてボタンを押すだけで自動調理が可能です。

タイマーや保温機能もついているため、忙しい家庭や共働き世帯にぴったりです。容量は3リットルで、2〜4人分の料理に最適です。

火加減の調整が不要で、加圧や減圧も自動で行われるため、初心者でも失敗しにくいです。

コンパクトな設計でキッチンにも置きやすく、カレーやシチュー、煮豆、炊飯など多彩なメニューに対応できます。

ワンダーシェフ｜魔法のクイック料理

３つ目は、ワンダーシェフ 魔法のクイック料理です。こちらは高圧タイプの手動圧力鍋で、短時間で驚くほど柔らかい煮込み料理が作れます。

5.5リットルの大容量モデルが人気で、作り置きや大家族にもおすすめです。

高圧設定ができるため、硬い食材や骨付き肉も短時間で調理できます。安全装置も複数搭載されており、初心者でも安心して使えます。

ステンレス製で耐久性が高く、長く使いたい方に向いています。

圧力鍋はいるかいらないか悩む人へ｜他調理器具との比較や疑問点

プロは圧力鍋を使わないって本当？

実は、多くのプロの料理人は圧力鍋をメインの調理器具として使っていないと言われています。その理由を見ていきましょう。

味や仕上がりへのこだわり

プロの料理人が圧力鍋を使わない最大の理由は「味や仕上がりへのこだわり」です。

圧力鍋は密閉して加圧調理を行うため、調理中にフタを開けてアクや脂を取り除いたり、味見や調整をしたりすることができません。

プロの現場では、途中で味をみて調味料を加えたり、アクを丁寧にすくったりと、細かな調整を重ねて料理を仕上げます。

そのため、圧力鍋ではこのような繊細な作業が難しいため、手間ひまをかけてコトコト煮込む方法が選ばれるのです。

業務用の大量調理には向いていない

また、業務用の大量調理には圧力鍋が向いていないという現実的な理由もあります。

飲食店では一度に多くの量を作る必要がありますが、家庭用の圧力鍋では容量が足りず、業務用の大容量圧力鍋は重くて設置や管理が大変です。

何度も分けて調理しなければならず、かえって手間が増えてしまうこともあります。

そして、業務用の大きな圧力鍋は高価で、設置や給排気の工事も必要になる場合があります。コストやスペースの問題からも、プロの現場では圧力鍋の導入が進みにくいのです。

仕込みや下準備の一部で使われるケースも

一方で、仕込みや下準備の一部として圧力鍋を活用するプロもいます。

たとえば、豆を柔らかく煮る、骨付き肉を下茹でするなど、短時間で柔らかくしたい場面では効率的に使われることもあります。

しかし、最終的な仕上げや味付けには、やはり通常の鍋やフライパンが選ばれます。

健康に悪い？栄養や安全性の真実

「圧力鍋は健康に悪いのでは？」と不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、体に悪いという科学的な根拠はほとんどありません。

むしろ、栄養面や安全面で多くのメリットがあることが分かっています。

有害物質ができる？

圧力鍋が体に悪いとされる理由のひとつに「高温高圧調理で有害物質ができるのでは」という疑問があります。

特にアクリルアミドという発がん性物質の生成量が気になる方もいるかもしれません。

しかし、農林水産省の実験では、圧力鍋で調理してもアクリルアミドの生成量は通常の調理方法と変わらないことが確認されています。

農林水産省は、一般的な加圧調理によってアクリルアミドがどの程度できるか研究しました。その結果、通常の圧力鍋の調理条件で加圧調理したお米や野菜では、アクリルアミドがほとんどできないことがわかりました。
アクリルアミドを減らすために、加圧調理を避ける必要はありません。

引用元：農林水産省より抜粋

むしろ、電気圧力鍋の場合は温度がやや低く設定されているため、アクリルアミドの生成量はさらに少ないと考えられています。

ビタミンが壊れる？

「ビタミンが壊れるのでは？」という疑問もあります。

しかし、圧力鍋は短時間かつ少量の水で調理できるため、ビタミンCや抗酸化物質などの栄養素が失われにくいという研究結果があります。

例えば、ビタミンCの残存率は圧力鍋で調理した場合90％と高く、蒸し調理やゆで調理よりも栄養が残りやすいことが分かっています。

栄養素のメリット

穀物や豆類の場合、圧力鍋で調理すると栄養成分の吸収を阻害するフィチン酸やレクチンが減少し、消化しやすくなるというメリットもあります。

これは、圧力鍋の高温調理が短時間で不要な成分を分解するためです。

また、圧力鍋は水分が少ない状態で調理できるため、食材の旨味や栄養が煮汁に流れ出にくくなります。

野菜は甘みが増し、肉や魚は柔らかく仕上がるなど、風味の面でもメリットがあります。

安全面について

安全面については、圧力鍋の正しい使い方を守れば事故のリスクは大きく減らせます。

近年の圧力鍋は安全装置が充実しており、誤ってフタを開けてしまう事故や、蒸気口の詰まりによる破裂なども、取扱説明書を守ればほとんど防げます。

国が認定した、PSCマークやSGマークなどの安全基準をクリアした製品を選ぶことも大切です。

圧力鍋で煮てはいけないものは何？

圧力鍋は便利な調理器具ですが、すべての食材に適しているわけではありません。ここでは、圧力鍋で煮てはいけないものや注意が必要な食材をまとめてみました。

麺類

パスタやうどん、そうめんなどの麺類は圧力鍋には向きません。加圧調理中に麺が膨張して蒸気口をふさぐ危険があり、最悪の場合、圧力鍋が破裂するおそれもあります。

膨らむ生地

パンケーキや蒸しパンなど、膨らむ生地も圧力鍋には不向きです。生地が膨らみすぎて蒸気口を詰まらせるリスクがあります。

ケーキやパンを作りたい場合は、オーブンや蒸し器を使いましょう。

大量の油やアルコールを使う料理

大量の油やアルコールを使う料理も避けたほうがよいです。圧力鍋は密閉状態で高温になるため、油がはねたり、アルコールが急激に蒸発して危険な状態になることがあります。

揚げ物やフランベなどは圧力鍋で行わないようにしましょう。

乳製品

乳製品も注意が必要です。牛乳や生クリーム、チーズなどは加圧中に分離したり、焦げ付きやすくなったりします。

シチューやグラタンなど乳製品を使う料理は、加圧調理後に加えると失敗しにくいです。

風味が損なわれやすい食材

また、圧力鍋で調理すると風味が損なわれやすい食材もあります。例えば、葉物野菜や繊細な魚は短時間で火が通るため、圧力鍋で調理すると食感や色合いが悪くなりやすいです。

これらは普通の鍋やフライパンでサッと調理するのがおすすめです。

電気圧力鍋いるいらない？手動圧力鍋との違い

電気圧力鍋と手動圧力鍋、どちらを選ぶべきか迷う方は多いです。ここでは、それぞれの特徴や違い、選び方のヒントをお伝えします。

電気圧力鍋の特徴

電気圧力鍋は、材料を入れてボタンを押すだけで自動的に調理が進みます。加圧時間や火加減の調整が不要で、タイマーや保温機能が付いているモデルも多いです。

調理中はキッチンにいなくてもよく、他の家事や仕事をしながら料理が完成するため、忙しい家庭や料理初心者に人気です。

また、電気圧力鍋のメリットは、操作が簡単で失敗しにくい点です。予約調理や保温ができるので、帰宅時間に合わせてご飯を用意することも可能です。

一方、予熱や減圧に時間がかかるため、トータルの調理時間は手動タイプより長くなることもあります。鍋の容量が小さいモデルが多く、大量調理には向かない場合があります。

手動圧力鍋の特徴

手動圧力鍋は、ガスやIHなどの直火で加熱し、火加減や加圧時間を自分で管理します。細かい調整ができるため、好みの仕上がりや味付けにこだわりたい方に向いています。

火加減や加圧のタイミングを覚える必要がありますが、慣れれば多彩な料理に対応できます。

また、手動圧力鍋は、加熱や減圧の時間を自分で調整できるため、短時間で仕上げたいときや大量調理に便利です。電気を使わないので、停電時やアウトドアでも使えます。

ただし、調理中は鍋から目を離せないため、忙しい方には手間に感じることもあります。

自分の生活スタイルに合うタイプを選ぶ

どちらを選ぶかは、ライフスタイルや調理頻度、キッチンスペースなどで異なります。

時短や手軽さを重視するなら電気圧力鍋、細かな調整や大量調理をしたいなら手動圧力鍋が向いています。

自分の生活に合ったタイプを選び、圧力鍋の便利さを最大限に活用しましょう。

圧力鍋と無水鍋どちらがいい？特徴と選び方

圧力鍋と無水鍋は、どちらも人気の調理器具です。それぞれの特徴や選び方を知ることで、自分に合った鍋を選ぶヒントになります。

 

圧力鍋は、密閉して高温・高圧で調理することで、短時間で食材を柔らかく仕上げます。

煮込み料理や豆料理、玄米ご飯など、火の通りにくい食材も素早く調理できるのが大きな魅力です。時短や省エネを重視する方、忙しい家庭には特におすすめです。

無水鍋は、食材から出る水分を利用して調理する鍋です。鍋自体が厚みのある金属でできており、密閉性が高いので、食材の旨味や栄養を逃がさずに仕上げることができます。

無水調理は野菜や肉の風味をしっかり引き出し、素材本来の味を楽しみたい方に人気です。

圧力鍋は短時間で柔らかく煮込むのが得意ですが、途中で味見や調整ができません。無水鍋は普通の鍋と同じようにフタを開けて味見ができ、火加減の調整もしやすいです。

無水鍋は焦げ付きやすい料理には注意が必要ですが、圧力鍋は焦げ付きにくい構造です。

作りたい料理やライフスタイルに合わせる

選び方のポイントは、作りたい料理やライフスタイルに合わせることです。時短や効率を重視するなら圧力鍋、素材の味や仕上がりにこだわりたいなら無水鍋が向いています。

どちらも一長一短があるため、家族の人数やキッチンのスペース、普段作る料理の種類を考えて選びましょう。

圧力鍋は電気とガスどっちが安い？コスト比較

圧力鍋を使うとき、電気とガスのどちらがコスト面でお得か気になる方も多いです。ここでは、電気圧力鍋とガス火を使う手動圧力鍋のコストを比較します。

ガス代の目安

手動圧力鍋は、ガスやIHで加熱します。加圧時間が短いため、通常の鍋に比べてガス代や電気代が安くなります。

例えば、1時間かかる煮込み料理も圧力鍋なら20分程度で済むため、光熱費を半分以下に抑えられることもあります。

ガス代は地域や契約によって異なりますが、1回の調理で数円から十数円程度です。

電気代の目安

電気圧力鍋は、電気を使って自動的に加熱・加圧調理を行います。消費電力は機種によって異なりますが、1回の調理で0.3〜0.5kWh程度が一般的です。

電気料金単価を30円/kWhとした場合、1回の調理で10〜15円程度の電気代がかかります。

ガスと比べて大きな差はありませんが、電気圧力鍋は予熱や減圧に時間がかかるため、トータルの消費電力が増えることもあります。

最後に：圧力鍋はいる？いらない？メリットとデメリットと後悔しない選び方

いかがでしたか？ 圧力鍋いるいらないの判断は、ご自身のライフスタイルや料理の好みによって大きく変わります。

時短調理や栄養価の保持を重視する方、煮込み料理や豆料理をよく作る方には圧力鍋は強い味方になるでしょう。

一方で、シンプルな料理が中心の方や収納スペースが限られている方には、圧力鍋はいらないかもしれません。

大切なのは、自分の生活パターンや調理スタイルに合った選択をすることです。この記事を参考に、ご自身にとって本当に必要な調理器具かどうか見極めてみてください。