「フッ素加工の発がん性が心配。。。一番安全なのは?」
「有毒ガスが出ないフライパンの材質は?」
フライパンは、毎日使う調理器具のひとつです。そのため、「安全性にはこだわりたい」と考える方は多いはずです。
有害物質を含まないフライパン選びでは、PFASフリーはもちろん、鉄やステンレスといった材質ごとの特性を理解することが重要です。
この記事では、おすすめできる有害物質を含まない日本製のフライパンを3つご紹介し、体に害のない安全な材質の見分け方をわかりやすく解説します。
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フライパンの有害物質の種類と危険性
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安全なフライパンの主な材質と特徴
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日本製フライパンを選ぶメリットとデメリット
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おすすめ日本製フライパン(材質別)
有害物質を含まない日本製フライパン3選|安全材質を徹底比較
- そもそもフライパンの有害物質とは?
- 絶対に使ってはいけない避けるべき3つの特徴
- 一番安全なフライパンは?材質ごとのメリット・デメリット
- 有害物質を含まない日本製のおすすめフライパン3選
そもそもフライパンの有害物質とは?
フライパンの有害物質として気をつけたいのは、主に「PFAS」「PTFE」「マイクロプラスチック」の3種類です。
PFAS
PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)は、1万種類以上の化学物質の総称です。
その中でも、PFOA(パーフルオロオクタン酸)とPFOS(パーフルオロオクタンスルホン酸)は、過去にフライパンのフッ素樹脂加工の助剤として使われていました。
これらの物質は自然界には存在せず、環境中で分解されにくい特徴があります。
人体に取り込まれると肝機能や生殖機能に悪影響を及ぼす可能性が指摘され、PFOAは発がん性があるとして国際的に規制されています。
日本でも2015年以降、PFOAとPFOSの使用や製造が禁止されており、現在市販されているフライパンにはこれらの物質は使われていません。(引用元:環境省より)
PTFE
フッ素樹脂加工の主成分であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)は、適切に使用すれば安全とされています。
しかし、空焚きなどで表面温度が260℃を超えると劣化が始まり、360℃以上になると有害な蒸気が発生する可能性があります。
吸い込むと呼吸器に影響を及ぼすことがあるため、使用時の温度管理が重要です。
マイクロプラスチック
フッ素樹脂加工のフライパンは、表面に傷がつくと微細なマイクロプラスチックが流出する問題もあります。
体内に取り込まれたマイクロプラスチックは、血液を通じて全身に運ばれ、様々な臓器に蓄積することが分かっています。
これらは環境汚染の一因にもなるため、フライパンの取り扱いには注意が必要です。
絶対に使ってはいけない避けるべき3つの特徴
では、安全性を考えたとき、どんなフライパンは「避けたほうが良い」のでしょうか。3つのポイントをお伝えします。
古いフッ素樹脂加工のフライパン
PFOAやPFOSが使用されていた時代の製品は、健康リスクが高いフライパンです。そのため、製造年月日が古いものは避けるべきです。
コーティングが剥がれている場合は、金属のさびや有害物質が食材に混入する恐れがあります。
傷がついたアルミニウム製フライパン
アルミニウム製のフライパンも注意が必要です。アルミは軽くて熱伝導が良い反面、傷や摩耗でアルミニウムが溶け出すことがあります。
体内に蓄積されると神経系の疾患を引き起こす可能性が指摘されているため、傷がついたものや長期間使い続けている製品は避けるのが望ましいです。
銅製のフライパン
銅製のフライパンも使い方に注意が必要です。酸性の食材を調理すると銅が溶け出し、急性銅中毒を引き起こすリスクがあります。
銅製品はプロの料理人に好まれますが、家庭での使用は酸性食材を避けるなどの知識が必要です。
一番安全なフライパンは?材質ごとのメリット・デメリット
一番安全なのは、特定の有害物質を含まない鉄、ステンレス、セラミック、チタンといった材質のフライパンです。これらは、どれも安全性が高いと言えます。
ただし、それぞれに使い勝手や手入れ方法が異なるため、ご自身の料理スタイルに合った材質を見つけることが重要になります。
鉄製のメリット・デメリット
鉄製のフライパンは、高温に強く耐久性にも優れています。正しく手入れをすれば、何十年と使い続けることができる一生ものの調理器具です。
調理中に微量の鉄分が溶け出し、食事と一緒に自然に鉄分を補給できる点も大きなメリットといえるでしょう。
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高温に強く、炒め物がシャキッと美味しく仕上がる。
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耐久性が高く、正しく手入れすれば一生使える。
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使うほど油がなじみ、焦げ付きにくく育っていく。
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調理で自然に鉄分が補給できる。
デメリットは以下の通りです。
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手入れを怠ると錆びやすい。
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他の素材に比べて重い製品が多い。
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使い始めに「油ならし」の手間が必要。
ステンレス製のメリット・デメリット
ステンレスは錆びにくく、傷もつきにくい非常に丈夫な金属です。
フッ素樹脂などのコーティングが施されていないため、剥がれる心配もなく、有害物質の発生リスクもありません。
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錆びにくく傷に強いため非常に丈夫で長持ち
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コーティングがなく有害物質の心配がない
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保温性が高く余熱調理や煮込み料理向き
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見た目がおしゃれでスタイリッシュ
デメリットは以下の通りです。
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温まるまでに時間がかかり熱伝導率は高くない
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予熱が不十分だと食材がこびりつきやすい
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鉄製と同様にやや重さがある
セラミック加工のメリット・デメリット
セラミック加工のフライパンは、フッ素樹脂を使わずに陶器と同じセラミックで表面をコーティングした製品です。
フッ素加工のフライパンと同じような感覚で手軽に使えるのが大きな利点です。
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PFOAなどの有害物質を含まず安全性が高い
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表面が滑らかで食材がこびりつきにくい
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熱伝導率が良く効率よく調理できる
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おしゃれで明るいデザインの製品が多い
デメリットは以下の通りです。
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急激な温度変化や強い衝撃に弱い
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金属製の調理器具で傷がつく可能性がある
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コーティングが剥がれると買い替えが必要
有害物質を含まない日本製のおすすめフライパン3選
ではここからは、安全性と品質の高さで信頼できる日本製のフライパンの中から、特におすすめしたい製品を3つご紹介します。
ご自身のライフスタイルや料理の好みに合わせて、長く愛用できる一品を見つける参考にしてください。
【鉄製】リバーライト 極JAPAN フライパン
「鉄のフライパンは手入れが大変」というイメージを覆すのが、リバーライトの「極JAPAN」シリーズです。
鉄の表面に「窒化処理」という特殊な加工を施し、鉄の弱点である錆びやすさを克服し、錆びにくく丈夫なフライパンになっています。
購入後の面倒な「空焼き」作業も不要。簡単な油ならしだけですぐに使い始められます。
使い込むほどに油がなじみ、焦げ付きにくさが増していくのは鉄ならではの魅力です。鉄フライパンが初めての方でも、安心して挑戦できる製品です。
また、高温調理で食材のうま味を最大限に引き出し、いつもの料理がワンランク上の仕上がりになります。
家族のために美味しくて安全な料理を作りたいと考える方にぴったりの、まさに「育てる」フライパンです。

【ステンレス製】フジノス ステンレスフライパン
新潟県燕三条の職人技術が生んだ「フジノス」のステンレスフライパンは、美しさと機能性を兼ね備えた製品です。
調理面にフッ素樹脂などのコーティングを一切施していないため、有害物質の心配がありません。
ステンレスの間に熱伝導の良いアルミニウムを挟んだ「三層構造」が特徴で、ステンレスの弱点だった熱ムラを解消しています。
フライパン全体に素早く均一に熱が伝わるため、焼き物もきれいに仕上がります。保温性も高く、じっくり火を通す肉料理や、野菜の甘みを引き出すソテーなどに最適です。
スタイリッシュで洗練されたデザインは、キッチンのインテリアとしても映え、料理をする時間をより豊かなものにしてくれます。
丈夫で錆びにくく、長く清潔に使い続けられるため、良い調理器具を大切に使いたいと考える方におすすめです。
【セラミック加工】京セラ セラブリッド フライパン
フッ素加工のフライパンの手軽さはそのままに、安全性を高めたい方には京セラの「セラブリッド」シリーズがおすすめです。
大手セラミックメーカーである日本の京セラが開発したフライパンは、人体や環境に影響を及ぼすPFOAやPTFEを一切使用していません。
白い調理面は食材の色もよく見え、汚れも分かりやすいので清潔に保てます。
熱伝導の良さと遠赤外線効果で、中火以下でもしっかり火が通り、食材の芯までふっくらと焼き上げることができます。
これにより、調理時間の短縮や省エネにも繋がります。表面は硬いセラミックで加工されているため、フッ素加工に比べて傷がつきにくく、長持ちします。
安全で使いやすいフライパンを手頃な価格から試したい方に最適な製品です。(※生産国はベトナムになっています)
有害物質を含まない日本製フライパンに関する疑問と素材ごとの特徴
- 日本製を選ぶメリット
- 日本製を選ぶデメリット
- フッ素加工フライパンは発ガン性がある?危険?
- 有毒ガスが出るのはどんなとき?安全な使い方
- 【鉄製】初心者でも扱いやすいおすすめの日本製フライパン
- 【ステンレス製】手入れが簡単で長く使える日本製フライパン
- 【セラミック製】こびりつきにくいおしゃれな日本製フライパン
日本製を選ぶメリット
品質管理の高さと安全性への配慮
日本のメーカーは、使用する素材の純度や品質に厳しく、製造過程の各工程で精密なチェックを行っています。
例えば、フライパンの表面に目に見えないほどの小さな穴があるだけで、そこからコーティングの劣化が始まる可能性があります。
日本製は、こうした細かな部分まで高いレベルで管理されているため、長く安心して使える信頼感があります。
日本の食文化に合わせて開発されている
日本の家庭料理は「焼く」「炒める」だけでなく、「煮る」「蒸す」といった調理法も多用します。
日本製のフライパンは、そうした多様な調理法に対応できるよう、深さや形状、重さのバランスが工夫されている製品が多いです。
使い手のことを考えた細やかな設計は、日々の料理を快適にしてくれます。
サポート体制がしっかりしているメーカーが多い
不具合があった場合のサポート体制がしっかりしているメーカーが多いのも、日本製を選ぶ安心材料の一つです。
親切なサポートが多く、日本語で対応できる点は、日本製品を選ぶ大きなメリットと言えます。
日本製を選ぶデメリット
価格が高くなる傾向
海外で大量生産される製品に比べて、価格が高くなる傾向があるのは否めません。
日本のメーカーは、品質を維持するために人件費や原材料費をかけているため、その分が価格に反映されます。
デザインのバリエーションが少ない
デザインのバリエーションについては、海外ブランドの方が豊富かもしれません。
海外製品には、カラフルで斬新なデザインのフライパンが多く見られますが、日本製品は実用性を重視した、シンプルで機能的なデザインが主流です。
フッ素加工フライパンは発ガン性がある?危険?
フッ素加工のフライパンの「発がん性」については、過去にフッ素樹脂加工の製造助剤として使われていた「PFOA」という化学物質にあります。
先にお伝えしたように、PFOAは体内に蓄積しやすく発がん性も指摘されたため、現在国内で販売されている新品のフッ素加工フライパンには使用されていません。
現在、フッ素加工の主成分として使われているのは「PTFE」という物質です。PTFE自体には、発がん性は確認されていません。
国際がん研究機関も「ヒトに対する発がん性について分類できない」としており、調理中にコーティングが剥がれて少量体内に入ってしまったとしても、吸収されずに排出されるとされています。(引用元:食品安全委員会より)
そのため、現在のフッ素加工フライパンを通常通り使用する分には、発がん性のリスクは極めて低いと考えられます。
有毒ガスが出るのはどんなとき?安全な使い方
フライパンで有毒ガスが発生するのは、主にフッ素加工(PTFE加工)フライパンを「空焚き」して異常な高温状態になったときです。
フッ素樹脂(PTFE)は約260℃を超えると劣化が始まり、350℃以上の高温になると分解されて、目に見えない有害なガスや粒子が発生する可能性があります。
このガスを吸い込むと、インフルエンザに似た「ポリマーヒューム熱」と呼ばれる症状(頭痛、めまい、吐き気など)を引き起こすことが報告されています。
空焚きが危険
一番危険なのは、食材や油を入れずに火にかけっぱなしにする「空焚き」です。
薄くて軽いフライパンは熱しやすく、中火でも数十秒で300℃近くまで温度が急上昇することがあります。
【鉄製】初心者でも扱いやすいおすすめの日本製フライパン
「鉄のフライパンはプロが使うもので手入れが難しそう」と感じていませんか?
確かに、昔ながらの鉄フライパンは、使う前の準備や日々の手入れに少し手間がかかるものもありました。しかし、最近の日本製の鉄フライパンは、技術の進化で初心者の方でも驚くほど扱いやすくなっています。
特に、健康を考えて鉄分補給もできる鉄製に魅力を感じている方には、ぜひ試していただきたいフライパンです。
鉄の最大の魅力は、高い熱伝導率と蓄熱性です。
強火で一気に加熱することで、野菜炒めは水分が出ずにシャキッと、お肉は表面をカリッと香ばしく、旨味を中に閉じ込めたまま焼き上げます。
使い込むほどに油がなじみ、焦げ付きにくく黒光りしてくる様子は、「フライパンを育てる」という愛着を感じさせてくれます。
おすすめの日本製鉄フライパン
鉄フライパンのデビューにおすすめしたいのは、先にご紹介したリバーライト社の「極JAPAN」シリーズです。
鉄の表面に「窒化処理」という特殊な加工を施しており、鉄の弱点だった錆の発生を極限まで抑えています。
サビを気にせず使えるので、調理後のお手入れも簡単。鉄の魅力を存分に味わいながら、長く付き合っていける逸品です。
【ステンレス製】手入れが簡単で長く使える日本製フライパン
丈夫で錆びにくく、見た目もスタイリッシュなステンレス製のフライパンは、衛生的に長く使い続けたいと考える方に最適な選択肢です。
表面にコーティングがないため剥がれる心配がなく、有害物質の発生リスクもなし。金属製のヘラやターナーを気兼ねなく使える頑丈さも、日々の料理では頼もしい存在です。
ステンレスフライパンの調理で大切なのは「予熱」です。
中火で2〜3分じっくり温めてから油をひき、フライパンの準備が整ってから食材を入れるのが、こびりつきを防ぐコツ。
一度温まると冷めにくい保温性の高さが特徴で、ハンバーグや鶏肉のソテーなど、食材に均一にじっくり火を通したい料理でその真価を発揮します。
余熱で調理できるので、省エネにも繋がります。
おすすめの日本製ステンレスフライパン
日本製でおすすめしたいのは、金属加工の町、新潟県燕三条で作られているフジノスのステンレスフライパンです。
熱伝導の良いアルミニウムをステンレスで挟んだ「三層構造」を採用。ステンレスの弱点だった熱ムラの少なさを克服し、フライパンのどこに食材を置いても均一に美しい焼き色を付けることができます。
職人技による精巧な仕上げで、見た目の美しさはもちろん、調理後のお手入れがしやすい点も高く評価されています。
また、フジノスのフライパンは、20年間の長期保証がついているのも魅力です。
【セラミック製】こびりつきにくいおしゃれな日本製フライパン
フッ素加工フライパンの手軽さは好きだけれど、安全性にもっとこだわりたい。そんな方にぴったりなのが、セラミック加工のフライパンです。
セラミックは、陶器と同じ無機質な素材を原料としており、PFOAやPTFEといった化学物質を含みません。
万が一、高温で加熱しすぎても有害ガスが発生する心配がないため、小さなお子様がいるご家庭でも安心して使えます。
セラミック加工の魅力は、つるんとしたこびりつきにくさです。少ない油でも食材がスムーズに滑り、炒め物やパンケーキなどもストレスなく調理できます。
汚れもさっと落ちるので、後片付けが簡単なのも嬉しいポイント。
また、白やパステルカラーなど、おしゃれで明るいカラーバリエーションが豊富なのも特徴です。キッチンが華やかになり、料理をする気分も上がります。
おすすめのセラミックフライパン
日本メーカーでおすすめなのが、セラミックスの専門家である京セラの「セラブリッド」シリーズです。(※生産国はベトナムです)
熱伝導率が非常に高いため、弱火から中火でもしっかりと食材に火を通すことができ、調理時間を短縮できます。
調理面が白いので、ソースの色合いや食材の焼き加減が一目でわかりやすいという利点もあります。
フッ素加工と同様に消耗はしますが、正しく使えば長く快適に愛用できます。
まとめ:有害物質を含まない日本製フライパンおすすめ3選|安全で安心できる材質とは?
いかがでしたか?有害物質を含まない日本製のフライパン選びについて、材質ごとの特徴から具体的なおすすめ商品まで解説しました。
フッ素加工のリスクが気になる場合は、鉄やステンレス、セラミックといった安全な選択肢があることがお分かりいただけたかと思います。
それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身の料理スタイルに合った一品を選ぶことが大切です。
あなたに合った有害物質を含まない日本製フライパンが見つかれば幸いです。
- 過去のフッ素加工助剤PFOAは発がん性が指摘され、現在は国内で使用禁止である
- 現在のフッ素加工の主成分PTFE自体に発がん性は確認されていない
- PTFEは空焚きなど360℃以上の異常高温で有毒ガスが発生する恐れがある
- フッ素加工のフライパンに付いた傷からマイクロプラスチックが流出する危険性がある
- 避けるべきは、古いフッ素加工、傷のあるアルミ製、酸性食品を調理する銅製のフライパンである
- 安全性が高い材質は、主に鉄、ステンレス、セラミック、チタンの4種類である
- 鉄製フライパンは高温調理に強く、料理が美味しく仕上がる
- ステンレス製フライパンは錆びにくく丈夫で、コーティング剥がれの心配がない
- セラミック加工は化学物質を含まず安全で、こびりつきにくい
- 日本製のフライパンは品質管理基準が厳格で、信頼性が高い
- 日本の食文化に合わせて、深さや形状が工夫されている製品が多い
- リバーライト社の「窒化処理」は、鉄の弱点である錆びやすさを克服した技術である
- クーベル社の「三層構造」は、ステンレスの弱点である熱ムラを解消する
- 鉄やステンレスは予熱が重要で、セラミックは急な温度変化を避けるのが長持ちのコツである